囲い込み対策|家を不動産仲介の囲い込みから防ぐ方法

仲介で不動産を売却するときに不動産会社の囲い込みを防ぐ対策方法を解説

不動産仲介の囲い込み対策

囲い込みを防ぐ対策で、両手取引を狙う仲介から不動産を守ることは簡単ではありません。
囲い込みは仲介の特性を悪用し、より複雑化しているため対策が難しいのが本音です。しかし、囲い込みについてオーナーが知っていることこそが囲い込みを防ぐ対策になります。
仲介がはった囲い込みのワナにかかって損をしないよう、オーナーができる囲い込みを防ぐ対策方法をできるだけ分かりやすく解説します。

不動産売却のアイデアが閃く

不動産仲介の囲い込みとは

囲い込みとは、売主・買主の両方から仲介手数料を得る「両手取引」のために、他社への売却情報の提供を拒んだり、他社からの購入希望者の紹介を断るなどの情報操作をすることです。
囲い込みが不動産の売却におよぼす悪影響は不動産業界で根深い問題となっています。

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囲い込み対策の心構え

囲いこみから不動産を防ぐ対策を考えるとき、まず知っておきたいのは「仲介はオーナーの心の隙をついて囲い込みをする」ということです。
不動産を売却するためには、オーナーは重要な判断を迫られるタイミングが多くなりますが、例えば「とにかく高く売りたい」と不動産査定だけを気にしているようなケースでは囲い込みを防ぐことはできないでしょう。不動産の売却では、多くの要因が売却できる価格や期間に影響するからです。

囲い込みを防ぐためには、その価格で不動産が売却できる理由をしっかり理解することです。売却戦略をもつ仲介は、根拠を示して分かりやすく説明してくれるはずです。複数社から説明をうければ、仲介会社の特徴、担当者の経験値などが見えてくるでしょう。
つまり、オーナーが売却する不動産や、仲介という仕組みに詳しくなることが、囲い込みの対策になるのです。

不動産仲介の囲い込み対策① レインズの登録確認

仲介の囲い込みの対策として、売却する不動産のレインズ登録を確認する方法があります。

レインズ

レインズ(REINS)は宅地建物取引業の免許をうけた不動産会社が閲覧できる不動産情報共有サイトです。

オーナーから仲介会社へ売却を依頼するときには、必ず媒介契約をむすぶ必要があります。媒介契約は3種類ありますが、専属専任媒介や専任媒介の場合には、レインズへ登録する義務が仲介へかされます。

  • 専属専任媒介 レインズ登録義務あり(5営業日以内)
  • 専任媒介   レインズ登録義務あり(7営業日以内)
  • 一般媒介   レインズ登録義務なし

囲い込みする仲介は、レインズへの登録を意図的に遅らせることで両手取引を狙います。
他社へ情報共有しない囲い込みが起こると、他社の顧客なら「もっと高く売れる」可能性を捨ててしまうことになります。売却情報が買いたい人に届かないため、不要な値下げや期間の長期化によってオーナーが損をする可能性は高くなるのです。

レインズの登録を遅らせる囲い込みの対策は、レインズの「登録証明書」を請求することです。登録をしていなければ登録証明書は発行できないため、囲い込みの対策になります。登録証明書ではレインズに売却情報が正しく登録されているか、請求されてから登録していないかを確認してください。
また、登録証明書にはレインズタワーというオーナーがリアルタイムの登録状況が確認できるサイトのIDとパスワードが付されています。レインズへ再登録すると登録証明書やID・パスワードも再発行されるため、レインズタワーにログインできない場合には登録内容を変更したか、登録そのものを消している可能性があるため、すぐに仲介へ確認してください。

レインズの登録を意図的に遅らせる、登録をしていないなどの登録義務違反は宅建業法違反です。
このルールを守ることができない仲介へ売却を依頼しないことが囲い込みの対策になります。
発覚した場合には、すぐに媒介契約を解除し、依頼する仲介会社を選び直しましょう。

囲い込みする仲介では、オーナーがレインズの登録証明書を確認した後に再登録をしたり、レインズの登録を消すことがあります。
再登録によってオーナーが登録証明書やレインズタワーで確認できない状況を意図的につくりだしたうえで、取引状況を「公開中」から「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」へ変更して情報を囲い込み、両手取引を狙うのです。

登録証明書やレインズタワーの確認でオーナーを安心させてから、再登録や登録を消す方法で囲い込みをされないように、常に最新情報の登録証明書を手元におき、いつでもレインズタワーで取引状況を確認できる状態にしておくことが囲い込みを防ぐ対策になります。

不動産仲介の囲い込み対策② 一般媒介を選ぶのは間違い

囲い込みの対策として、「媒介契約は一般媒介を選ぶ」というインターネット上の不動産関連サイトや不動産関連書籍などの意見がありますが、よく分からないまま一般媒介を選ぶと、囲い込み対策に囲い込みされている状態におちいります。

  • 専属専任媒介 複数社へ依頼不可
  • 専任媒介   複数社へ依頼不可
  • 一般媒介   複数社へ依頼可能

一般媒介は複数社へ売却を依頼できるため、確かに囲い込みを防ぐことができます。しかし、一般媒介で売却を依頼する仲介を増やせば、仲介手数料を得られない可能性が高いと仲介会社は判断し、広告を含めた販売活動を制限するため、価格の低下や期間の長期化が起こりえます。
複数社へ依頼できることが一般媒介のメリットである一方で、信頼されていない仲介は真剣に販売活動をしないデメリットを生み、囲い込みされている状態と変わらない結果になってしまう可能性もあるのです。

広告を積極的にしない一般媒介は囲い込みされている状況と同じです。情報が届く範囲は仲介会社の顧客に限られるため、周辺エリア全ての仲介と一般媒介をむすぶ覚悟が必要です。
手間がかかるのはもちろんのこと、それぞれ言うことも違うため混乱することや、販売方法も会社によって違うため正確なデータをもとに経過測定もできないでしょう。そもそも一般媒介にはレインズの登録や状況報告の義務はありません。
また、一般媒介で窓口が複数ある場合には、売買の進行状況が掴めないため、購入を希望する顧客を紹介したい他の仲介も「時間を無駄にする可能性がある」と考え消極的になる傾向があります。

誤解されることがありますが、仲介が囲い込みをせずに努力して販売活動をした結果、購入希望者が見つかり結果的に両手取引になるといったケースが存在するため、必ずしも両手取引が悪いというわけではなく、あくまで囲い込みが悪なのです。
囲い込みを防ぐために一般媒介を選ぶという選択は、表面的には囲い込みの対策になるかもしれません。しかし、仲介はボランティアで仕事をしているわけではなく、ビジネスとして専門分野をあつかうプロです。両手取引のために囲い込みまでして利益を得ようとする仲介が一般媒介で真剣に働くわけがないことは知っておいた方がいいでしょう。
そのため、仲介会社の方針や売却戦略、仲介担当者の経験値などを見極め、囲い込みができる穴が無いかしっかりと考察することが囲い込みの対策になるのです。

不動産仲介の囲い込み対策③ 仲介手数料の割引で選ばない

仲介手数料の割引を持ちかける仲介は、囲い込みすると宣言しているのと同じです。
仲介手数料の割引があれば、最終的に手元に残る金額が増えると考えるオーナーは多いようです。しかし、オーナーの「少しでも得したい」という気持ちを逆手に取るのが、仲介手数料を半額や無料にする割引なのです。
仲介手数料の割引という金勘定で仲介を信頼して売却を任せるのは、囲い込みで損をする典型的なケースです。

仲介手数料

仲介で不動産を売買すると仲介手数料がかかります。
仲介手数料には法定上限が定められており、売買価格に対するパーセンテージで計算します。

仲介手数料法定上限の計算式
・売買価格 200万円以下の部分 売買価格×5%+消費税
・売買価格 200万円〜400万円以下の部分 売買価格×4%+消費税
・売買価格 400万円を超える部分 売買価格×3%+消費税

※2024年7月1日より、売買価格800万円以下の仲介手数料は一律30万円+税へ引き上げられました。

仲介手数料は2024年7月1日の改正により売買価格800万円を超えると「3%+6万円+税」という速算式を使用します。オーナーにとっては価格が直接関係するのに対し、仲介手数料の額は価格に対するパーセンテージということです。
仲介手数料の割引で売却を依頼をうけてしまえば、両手取引のために囲い込みで価格が下がろうとも「割引した額よりも多く仲介手数料を稼ぐことができる」と考えるのが、囲い込みで両手取引を狙う仲介の思惑なのです。

片手取引の仲介手数料
売主 売買価格3,000万円×3%+6万円=96万円+税

両手取引の仲介手数料
売主 売買価格2,000万円×3%+6万円)=66万円+税
買主 売買価格2,000万円×3%+6万円)=66万円+税 計132万円+税

仲介手数料は売却価格のパーセンテージで計算するため、金額が高ければ仲介手数料も高く、金額が安ければ仲介手数料も安くなります。価格が数百万円変わったとしても仲介手数料は数十万円しか変わらないため、どう考えても仲介手数料の割引よりも売却価格が高い方がオーナーの手元に残る金額は多くなります。

オーナーの手元に残る金額の計算
・売買価格 − 諸経費 − 仲介手数料 = 手元に残る金額

仲介手数料の割引といった目先の利益ではなく、オーナーのために「より高く売却するための戦略」をもつ仲介会社へ依頼することが囲い込みを防ぐ対策になるです。
囲い込みを誘発する下手な駆け引きはしないで「当たり前の仕事をする」そんな仲介会社へ大切な不動産の売却を任せましょう。

不動産仲介の囲い込み対策④ 高額な不動産査定を見抜く

不動産を売却するときに、一括査定などで複数の仲介会社で不動産査定を比較する方法は間違いではありません。しかし、不動産査定は仲介が「この価格で売れるだろう」と予想する金額であり、実際に売却できる価格を保証するものではないため注意が必要です。高額な不動産査定につられて仲介を依頼すると囲い込みにあう可能性が高いため、査定価格が高いからという理由で売却を依頼する仲介を選ぶのはやめておいた方が良いでしょう。

高額な不動産査定を提示されたオーナーは、ご所有の不動産が高い金額で売れると言われれば悪い気はしないでしょう。しかし、一部の仲介では売却の依頼を受けようと固執して、市場の相場とかけ離れた売れる可能性がない高額な不動産査定を提示することがあるのです。仲介担当者は内心では売れるとは考えておらず、囲い込みによって時間の経過とともに価格を値下げし、自社の顧客が購入する相場近辺の価格で売却することで両手取引を見込んでいるのです。
このような囲い込みを”塩漬け”といい、高額な不動産査定で売却の依頼を受け、自社の顧客に売却できる価格まで値下げする悪質な囲い込み方法です。囲い込みで塩漬けされると、無駄に時間を浪費するうえに、本当なら売却できた金額を下回る事態にもなりかねません。

囲い込みを防ぐためにも、売買の事例に基づく相場などの根拠や、仲介会社の方針を担当者によく説明してもらい、高額な不動産査定を見抜くことが大切です。一括査定は複数社の仲介を比較するために利用するのがオススメです。

仲介を見極めることが最大の囲い込み対策

社会問題になっている囲い込みは、不動産という専門性と、仲介という特性を悪用し複雑化しています。
オーナーができる防衛策は限られていて、囲い込みの対策をしても完全に防ぐことはできないかもしれません。しかし、覚えておいていただきたいのは囲い込みの最大の対策は、ウソをついたりオーナーが損をするような悪巧みをしない仲介へ売却を依頼することです。

仲介手数料の割引や高額な不動産査定をウリにせず、「根拠に基づいた正確な査定」「売却開始と同時に売却情報を開示する販売活動」「オーナーへ透明性がある状況報告」つまり「当たり前の仕事をする」仲介へ依頼することが、囲い込みを防ぐ対策となり、より良い条件で売却することにつながるのです。


ここまで「囲い込み対策|家を不動産仲介の囲い込みから防ぐ方法」について解説しました。
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