どの仲介会社で不動産を売却する?
不動産を売却するとき、多くの方が悩むのが「どの仲介会社に依頼すればいいのか」という問題です。
不動産会社ならどこに依頼しても同じように見えますが、実際には、売却価格や売却までの期間、販売活動の方法、担当者の対応などによって結果が大きく変わることがあります。
特に注意したいのが、「査定額が一番高い会社を選べばいい」とは限らないことです。
高い査定額を提示されたからといって、その金額で実際に売れるとは限りません。
重要なのは、査定額だけではなく、仲介会社の特徴を総合的に比較することです。
- なぜその価格なのか
- どのように買主を探すのか
- どの広告を利用するのか
- レインズへ適切に登録するのか
- 売却活動をどのように報告するのか
- 担当者が売却に強いか
この記事では、不動産売却の仲介会社を選ぶときに確認すべきポイント、注意したい会社の特徴、媒介契約の違い、仲介手数料、囲い込み対策まで詳しく解説します。

不動産売却の仲介会社とは?
不動産売却の仲介会社とは、売主から売却の依頼を受け、買主を探し、売買契約の成立までサポートする不動産会社のことです。
一般的には、売主が不動産会社と媒介契約を締結して販売活動をスタートします。
媒介契約には、専属専任媒介契約・専任媒介契約・一般媒介契約の3種類があります。
仲介会社を選ぶ際には、単純に「大手だから安心」「地元の会社だから安心」と決めるのではなく、自分の不動産を売ることに強い会社かどうかを見ることが大切です。
不動産売却で仲介会社選びが重要な理由
不動産は、同じ物件でも仲介会社によって売却戦略が変わります。
たとえば、「できるだけ高く売りたい」という売主と、「多少価格を下げても早く売りたい」という売主では、取るべき販売戦略が違います。
物件によっても売却方法は変わります。
- マンション
- 戸建
- 土地
- 古家付き土地
- 空き家
- 相続不動産
- 投資用不動産
そのため、仲介会社選びでは「会社の知名度」よりも「自分の不動産の売却に適した会社か」を確認することが重要です。
不動産売却の仲介会社を選ぶ7つのポイント
1.売却実績を確認する
まず確認したいのが、その会社の売却実績です。
不動産会社は「不動産会社」であっても、得意分野がそれぞれ異なります。
たとえば、「賃貸が中心」「新築販売が中心」「投資用不動産が中心」という会社もあります。
売却を依頼するなら、売主側の仲介をどれだけ経験しているかを確認しましょう。
- 自宅売却の実績
- マンション売却の実績
- 戸建売却の実績
- 土地売却の実績
- 相続物件の売却実績
- 難しい物件の売却実績
2.査定価格の根拠を説明できるか
仲介会社選びでは、査定価格そのものよりも査定の根拠を確認しましょう。
たとえば、「周辺相場からこの価格です」だけでは不十分です。
- 周辺の成約事例
- 現在販売されている競合物件
- 土地・建物の状態
- 築年数
- 駅からの距離
- 市場動向
- 買主層
優良な仲介会社根拠がある価格を説明します。
高い査定額には注意
複数社に査定を依頼すると、会社によって査定価格が大きく違うことがあります。
そのとき、「一番高い会社に依頼する」という選び方はおすすめできません。
査定額が高くても、実際に売れなければ意味がないからです。
重要なのは、「この価格で売れる理由を説明できる会社か」です。
3.販売活動の内容を具体的に説明してくれるか
不動産は、売り出しただけで自動的に売れるものではありません。
仲介会社がどのような販売活動をするのか確認しましょう。
- 不動産ポータルサイトへの掲載
- 自社サイトへの掲載
- レインズへの登録
- 不動産会社間への情報提供
- 購入希望者への紹介
- オープンハウス
- 周辺への販売活動
特に、「レインズにはいつ登録されますか?」と質問してみることをおすすめします。
専属専任媒介契約では媒介契約締結日の翌日から5日以内、専任媒介契約では7日以内にレインズへの登録が必要とされています。※不動産会社の休業日等を除く。
4.レインズへの登録と販売状況を確認する
レインズとは、不動産会社が利用する物件情報交換システムです。
レインズに物件情報が登録されることで、他の不動産会社も物件情報を確認でき、買主への紹介につながる可能性があります。
専属専任・専任媒介契約の場合、売主は登録証明書を受け取り、専用の確認画面から登録内容や取引状況を確認できます。
そのため、「レインズに登録するのか」だけではなく、「登録後に売主自身が状況を確認できるのか」まで確認しておくと安心です。
5.担当者との相性・対応力を見る
不動産売却では、会社選びと同じくらい担当者選びが重要です。
なぜなら、実際の売却活動を進めるのは担当者だからです。
良い担当者の特徴は経験豊富であることです。
- 質問に具体的に答える
- メリットだけでなくデメリットも説明する
- 査定価格の根拠を説明する
- 売却戦略を提案する
- 販売状況を報告する
- 売主の希望を聞く
「この価格なら絶対売れます」「すぐ売れます」など、根拠なく断定する担当者には注意が必要です。
6.仲介手数料だけで選ばない
不動産売却では、仲介手数料が発生するケースがあります。
ただし、仲介手数料が安いことだけを理由に会社を選ぶのはおすすめできません。
なぜなら、不動産売却では数十万円の手数料差よりも、最終的な売却価格の差のほうが大きくなる可能性があるからです。
たとえば、3,500万円で売れる物件を、3,200万円で売ってしまえば、300万円の差が生じます。
「仲介手数料が安いから得」ではなく、「最終的に手元にいくら残るのか」という視点で比較することが大切です。
仲介手数料には上限が定められているため、依頼前に具体的な金額や計算方法を確認しておきましょう。
7.不動産会社の免許・行政処分歴を確認する
仲介会社を比較するときは、その会社が適切な免許を持っているか確認することも重要です。
国土交通省では宅地建物取引業者を検索できるシステムを公開しており、会社名や所在地などから確認できます。
また、国土交通省には宅地建物取引業者に対する行政処分等を検索できる「ネガティブ情報等検索サイト」もあります。
仲介会社を決める前に、一度確認しておくと安心です。
不動産売却の仲介会社は何社くらい比較すればいい?
初めて売却する場合は、2~3社程度に査定を依頼して比較する方法がおすすめです。
1社だけでは、「査定価格が適正なのか」「販売戦略が妥当なのか」判断しにくいからです。
一方で、あまり多くの会社に査定を依頼するデメリットもあります。
- 電話やメールが増える
- 査定内容を比較しにくくなる
- 高い査定額だけで判断してしまう
大切なのは、査定額を並べることではなく、「価格・販売方法・担当者・実績」を比較することです。
不動産売却の仲介会社を比較するときのチェックリスト
仲介会社を比較するときは、次の項目を表にして確認すると分かりやすくなります。
| 比較項目 | 確認するポイント |
|---|---|
| 査定価格 | 相場とかけ離れていないか |
| 査定根拠 | 成約事例などを説明しているか |
| 売却実績 | 自分の物件に近い実績があるか |
| 販売活動 | 具体的な広告戦略があるか |
| レインズ | 登録時期や登録内容を説明しているか |
| 担当者 | 説明が分かりやすいか |
| 仲介手数料 | 金額・条件が明確か |
| 契約内容 | 媒介契約の違いを説明しているか |
| 報告 | 売却活動を定期的に報告するか |
| 信頼性 | 免許や行政処分歴などを確認できるか |
媒介契約はどれを選べばいい?
仲介会社を選ぶときには、媒介契約の種類も重要です。
専属専任媒介契約
1社だけに依頼する契約です。
自己発見取引はできず、レインズへの登録義務や定期的な業務報告義務があります。
「1社に任せて、売却活動をしっかり管理してほしい」という方に向いています。
専任媒介契約
こちらも基本的に1社に依頼する契約ですが、自己発見取引が可能です。
レインズへの登録義務があり、2週間に1回以上の業務報告義務があります。
一般媒介契約
複数の不動産会社に依頼できます。
一方で、レインズへの登録や業務報告については専属専任・専任媒介とは扱いが異なります。
どの契約が正解?
「この契約が必ず一番良い」というものではありません。
物件の売れやすさや売却価格、売却期間、売主自身がどこまで管理したいかによって適した契約は変わります。
そのため、媒介契約の違いを十分に説明してくれる仲介会社を選ぶことが重要です。
不動産売却の仲介会社選びで注意したい「囲い込み」
仲介会社選びで知っておきたいのが囲い込みです。
売主から売却依頼を受けた不動産会社が、自社で買主も見つけて売主・買主双方から仲介手数料を得ようとする中で、他社からの紹介を不当に妨げるような問題が起こる可能性があります。
売主としては、「他社から購入希望者の紹介があった場合も、きちんと紹介してもらえるのか」を確認しておくことが大切です。
現在は、専属専任・専任媒介契約の物件について、売主自身がレインズの登録内容や取引状況を確認できる仕組みが整備されています。
「レインズに登録しました」と言われて終わりではなく、実際の登録内容まで確認することが重要です。
こんな仲介会社には注意
次のような会社には注意しましょう。
査定額が極端に高い
周辺相場から大きく離れた査定額を提示し、媒介契約を取ろうとする会社には注意が必要です。
査定根拠を説明しない
「この辺は人気だから高く売れます」という説明だけではなく、具体的な成約事例などを確認しましょう。
販売方法が曖昧
「ネットに掲載します」だけではなく、「どこに掲載するのか」「いつ掲載するのか」「問い合わせがない場合はどうするのか」まで確認しましょう。
契約を急がせる
「今日契約してほしい」「他社ではダメ」など、比較する時間を与えない会社には慎重になるべきです。
デメリットを説明しない
不動産売却では、必ずメリットだけでなくリスクや注意点があります。
良いことだけを話す会社より、売主にとって不利な可能性まで説明してくれる会社のほうが信頼できます。
不動産売却で「大手」と「地域密着型」はどちらがいい?
よくあるのが、「大手不動産会社と地域密着型の会社、どちらがいい?」という疑問です。
実際には、会社の規模だけで優劣を判断することはできません。
大切なのは、「その会社が、売却する物件に合った販売力を持っているか」です。
たとえば、地域の購入希望者を多く持っている会社なら、地域密着型が有利なケースがあります。
一方で、広いネットワークや豊富な販売チャネルを持つ会社が向いているケースもあります。
そのため、会社規模ではなく、実績・販売戦略・担当者・情報開示を比較しましょう。
仲介会社を変更することはできる?
「依頼した会社に任せているけど、なかなか売れない」という場合、仲介会社の変更を検討することもできます。
ただし、媒介契約には有効期間があります。
専属専任・専任媒介契約は、一般的に契約期間が定められているため、契約内容を確認したうえで判断しましょう。
- なぜ売れないのか
- 問い合わせ数は何件あるのか
- 内見数は何件あるのか
- 価格設定は適正か
- 広告活動は十分か
売れない理由がわからない場合は、仲介会社の変更をおすすめします。
不動産売却の仲介会社は「査定額」ではなく「売却戦略」で選ぶ
不動産売却で重要なのは、「一番高い査定額を出した会社」ではありません。
重要なのは、「その価格で売るための具体的な戦略を持っている会社」です。
たとえば3社から、査定結果が出たとします。
A社:4,000万円
B社:4,300万円
C社:4,150万円
B社が一番高いからといって、必ずしもB社がベストとは限りません。
B社が4,300万円という価格の根拠を説明できず、販売戦略も曖昧であれば注意が必要です。
反対に、A社が、「現在の成約相場は3,900万~4,100万円」「4,080万円から販売して反響を見る」「2週間ごとに問い合わせ状況を確認する」「反響が弱ければ価格や広告方法を見直す」など、具体的な戦略を提示できるのであれば、A社のほうが現実的な売却につながる可能性があります。
不動産売却で大切なのは「売却価格」だけではない
最終的に確認したいのは、「いくらで売れたか」ではなく「いくら手元に残ったか」です。
売却価格から、諸費用を差し引いて考える必要があります。
- 仲介手数料
- 諸費用
- 抵当権抹消などの費用
- 税金
- その他必要な費用
さらに、「早く売る」「できるだけ高く売る」「手間をかけずに売る」など、売主によって優先順位も違います。
そのため、仲介会社には最初に、「価格」「期間」「手間」のどれを重視するのかを伝えておくことが重要です。
まとめ|不動産売却の仲介会社選びで失敗しないために
不動産売却の仲介会社を選ぶときは、会社の知名度や査定額だけで決めるのではなく、総合的に比較することが大切です。
特に確認したいのは、「売却実績」「査定価格の根拠」「具体的な販売戦略」「レインズへの登録」「担当者の対応力」「媒介契約の説明」「仲介手数料」です。
また、専属専任・専任媒介契約ではレインズ登録や業務報告などの仕組みがあるため、売主自身も販売状況を確認しながら進めることができます。
そして何より重要なのは、「高く査定してくれる会社」ではなく、「納得できる価格で売るための根拠と戦略を持っている会社」を選ぶことです。
査定は売却を決めていなくても、現在の市場価値を知るための重要な判断材料になります。
「まだ売るか決めていない」という段階でも、まずは査定価格と売却方法を確認しておくことで、今後の選択肢を比較しやすくなります。
不動産の売却価格は、物件の所在地、築年数、土地・建物の状態、周辺の成約事例などによって大きく変わります。
そのため、売却を考え始めたら、まずは複数の視点から価格を確認することが重要です。
「今の不動産がいくらくらいで売れるのか知りたい」
「今の仲介会社の査定価格が適正なのか知りたい」
「なかなか売れず、別の仲介会社に相談したい」
という場合は、売却に強い不動産会社へ相談してみましょう。
ジャンクションでは、現在の市場価格を踏まえた査定だけでなく、「どのくらいの価格なら現実的に売れるのか」比較しながら、売主様に合った売却方法をご提案します。
「仲介会社から査定を受けたけれど、この価格でいいのか分からない」「他社の査定と比較したい」「できるだけ高く売却したい」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
不動産売却は仲介会社の選び方で結果が変わります。
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