財産分与で不動産を分ける方法と注意点
離婚をすることになり、「今住んでいる家をどうすればいいのか」「住宅ローンが残っているけれど売却できるのか」「財産分与はどうすればいいのか」と悩んでいませんか?
離婚時の不動産は、単純に家を売れば終わりというわけではありません。
不動産の名義、住宅ローンの残高、夫婦それぞれの持分、財産分与、売却価格などを確認したうえで、売却方法を決める必要があります。特に住宅ローンが残っている場合は、売却価格がローン残高を上回るのか下回るのかによって対応が大きく変わります。
この記事では、離婚に伴う不動産売却について、売却前に確認すべきポイントから具体的な売却の流れ、住宅ローンが残っている場合の注意点まで詳しく解説します。

離婚で不動産を売却するケースは多い
離婚すると、夫婦がこれまで暮らしていた家をそうするか検討することになります。
- 売却して現金化する
- 夫婦のどちらか一方が住み続ける
- 一方が所有して相手に代償金を支払う
不動産を売却して現金化する方法は、家を共有したまま離婚後も夫婦関係が残ることを避けやすく、財産を分けやすい方法の一つです。
住宅ローンが残る家についても、売却してローンを返済し、残った資金を分ける方法が考えられます。
ただし、家の売却価格だけで住宅ローンを完済できない場合には注意が必要です。
離婚時の不動産は財産分与の対象になる?
離婚時には、婚姻中に夫婦で形成した財産を分ける「財産分与」を検討します。
不動産についても、婚姻期間中に夫婦の協力によって形成されたものであれば、名義が夫婦のどちらか一方であっても財産分与の対象となる場合があります。
例えば、夫名義で購入した住宅で、夫の給与から住宅ローンを返済していたとしても、婚姻中の夫婦の生活・協力によって形成された財産として扱われることがあります。
そのため、「家の名義が自分だから自分のもの」と単純に判断するのは危険です。
財産分与については、個々の事情によって判断が異なるため、必要に応じて弁護士などの専門家にも確認しましょう。
離婚で不動産を売却する前に確認すべき5つのこと
1.不動産の名義を確認する
まず確認したいのが不動産の所有名義です。
夫の単独名義なのか、妻の単独名義なのか、それとも夫婦共有名義なのかによって、売却手続きが変わります。
共有名義の場合、原則として共有者の同意が必要になるため、離婚前から売却方針について話し合っておくことが重要です。
法務局では、財産分与による所有権移転登記や売買による所有権移転登記などの手続きが案内されています。
2.住宅ローンの残高を確認する
次に確認するのが住宅ローンの残高です。
例えば、不動産の売却価格3,500万円に対して住宅ローン残高2,500万円であれば、売却代金からローンを返済した後に残る金額について検討できます。
一方、不動産の売却価格2,500万円に対して住宅ローン残高3,000万円の場合、売却代金だけではローンを完済できません。
このような状態を一般に「オーバーローン」と呼び、売却後に残るローンの処理を考える必要があります。
3.現在の不動産価値を確認する
住宅ローン残高だけでは判断できません。
現在の不動産が「いくらで売れる可能性があるのか」を確認することが重要です。
不動産会社の査定を利用すれば、現在の市場価格を把握する目安になります。
離婚後の財産分与を考える場合も、不動産の現在価値を把握しておくことは重要です。
4.いつ売却するのかを決める
離婚前に売却するのか、離婚後に売却するのかも重要なポイントです。
離婚前に売却する場合は、夫婦で協力して売却活動を進めやすい一方、売却完了まで離婚手続きを待つ必要がある場合があります。
一方、離婚後は夫婦双方の生活が変わるため、連絡や売却方針の調整が難しくなる可能性があります。
そのため、離婚と不動産売却を別々の問題として考えるのではなく、同時に全体のスケジュールを整理することが大切です。
5.売却代金をどう分けるのか決める
売却して住宅ローンを返済した後にお金が残る場合、その資金をどのように分けるのかを事前に確認しておきましょう。
「売却してから考える」のではなく、売却前に夫婦間で合意形成しておくことがトラブル防止につながります。
離婚で不動産を売却するメリット
財産を現金化できる
不動産を売却することで、現金として財産分与を検討しやすくなります。
家そのものを夫婦のどちらが所有するかで揉めるケースと比較して、売却して現金化することで整理しやすくなることがあります。
離婚後の不動産トラブルを避けやすい
離婚後も共有名義のまま不動産を所有すると、将来売却するときなどに元夫婦双方の意思確認が必要になる場合があります。
売却して関係を整理しておくことで、将来的なトラブルを減らせる可能性があります。
住宅ローンを整理しやすい
売却価格で住宅ローンを完済できる場合、売却代金を利用してローンを返済できます。
その後の住宅ローン負担をなくせることは、離婚後の生活設計を考えるうえでも大きなメリットです。
離婚で不動産を売却するデメリット・注意点
希望価格で売れるとは限らない
不動産は査定価格=実際の売却価格ではありません。
市場状況や物件の状態、立地などによって売却価格は変動します。
複数の不動産会社に相談して、価格だけでなく「なぜその価格なのか」まで確認することが重要です。
夫婦双方の意見が一致しないことがある
「早く売りたい」という人と「できるだけ高く売りたい」という人では、希望する売却条件が異なることがあります。
離婚に伴う売却では、通常の売却以上に事前の方針整理が重要です。
住宅ローンが残る場合は特に注意が必要
売却価格より住宅ローン残高の方が高い場合、売却するだけではローンを完済できません。
不足分を自己資金で補填するのか、金融機関に相談するのかなど、売却前に資金計画を確認する必要があります。
離婚で不動産を売却する流れ
基本的には次のような流れで進めます。
STEP1.名義と住宅ローンを確認する
登記上の所有者、共有持分、住宅ローンの契約者、連帯債務・連帯保証の有無などを確認します。
特にペアローンや連帯保証などの場合、離婚しただけでローン契約上の関係が自動的に解消されるわけではありません。
STEP2.不動産査定を依頼する
現在の不動産価格を確認します。
ここでは「最高査定額」だけを見るのではなく、周辺の売却事例や現在の市場状況などを踏まえ、現実的な売却価格を検討することが大切です。
STEP3.住宅ローン残高と比較する
査定価格とローン残高を比較し「売却代金で完済できるのか」「不足する可能性があるのか」を確認します。
STEP4.売却方法を決める
一般的には「仲介」による売却と「買取」による売却があります。
仲介は市場で購入希望者を探して売却する方法です。
一方、買取は不動産会社が直接購入するため、買主を探す期間を短縮しやすいという特徴があります。
離婚を早く成立させたい、離婚後の生活を早く整理したいなど、スピードを重視するケースでは買取も選択肢になります。
STEP5.売買契約・決済・引渡し
買主が決まったら売買契約を締結し、決済・引渡しへ進みます。
売却代金から住宅ローンを返済する場合は、金融機関との抵当権抹消などの手続きも必要になります。
離婚で家を売るなら「仲介」と「買取」のどちらがいい?
高く売ることを優先するなら仲介
仲介では市場に物件を公開し、購入希望者を探します。
時間をかけてでも、できるだけ高く売りたい場合に適しています。
ただし、買主が見つかるまでの期間は物件によって異なり、必ず希望時期に売却できるとは限りません。
早く売却したいなら買取
買取は不動産会社が直接物件を買い取る方法です。
一般的な仲介による売却と比べて、購入希望者を探す販売期間を短縮しやすく、売却スケジュールを立てやすい点がメリットです。
「離婚までに売却したい」「離婚後すぐに生活を整理したい」「元配偶者と長期間やり取りしたくない」といった場合には、買取が有力な選択肢になる可能性があります。
ただし、買取価格は一般的な市場価格より低くなる場合があるため、仲介価格と買取価格の両方を比較して判断することが重要です。
離婚で家が売れない場合はどうする?
「不動産会社に依頼したのに売れない」という場合には、原因を確認する必要があります。
- 売出価格が相場より高い
- 物件の状態に問題がある
- 市場の需要が弱い
- 住宅ローン残高が売却価格を上回っている
- 夫婦間で売却条件がまとまっていない
価格を見直す方法だけでなく、不動産会社を変更する、売却方法を変更する、買取を検討するなどの対応もあります。
離婚で不動産を売却するときにやってはいけないこと
相手に相談せず勝手に売却を進める
共有名義の場合、特に注意が必要です。
売却の意思や条件について夫婦間で認識が違うと、手続きが進まなくなる可能性があります。
査定額だけで不動産会社を決める
査定額が高いからといって、その価格で確実に売れるとは限りません。
「なぜその査定額なのか」「実際にはいくらで売れる可能性があるのか」を確認しましょう。
住宅ローン残高を確認しない
「家は3,000万円くらいで売れるだろう」と考えていても、住宅ローン残高が3,500万円なら売却後の資金計画は大きく変わります。
査定とローン残高を必ずセットで確認することが大切です。
離婚後まで何も決めない
離婚後に元夫婦が別々の生活を始めると、売却についての連絡や意思決定が難しくなることがあります。
売却する可能性が高いのであれば、できるだけ早い段階で査定を取得し、売却価格やスケジュールを整理しておくことをおすすめします。
離婚で不動産を売却するなら、まず「いくらで売れるか」を知ることから
離婚に伴う不動産売却では「離婚するから、とにかく早く売る」と考えてしまうのはおすすめできません。
まず「不動産はいくらで売れるのか」「住宅ローンはいくら残っているのか」「売却するといくら手元に残るのか」を把握しましょう。
そのうえで、仲介と買取のどちらが適しているのかを判断することが重要です。
特に住宅ローンが残っている場合は、売却価格とローン残高によって対応が変わります。
離婚による不動産売却でお困りなら査定へ
離婚に伴う不動産売却は、通常の不動産売却と違って、「夫婦のどちらが売るのか」「いつまでに売るのか」「財産分与をどうするのか」「住宅ローンをどうするのか」など、さまざまな問題を同時に整理する必要があります。
だからこそ、最初に不動産の価値を知っておくことが重要です。
「売るかどうかまだ決まっていない」「住宅ローンが残っているけれど売れるのか知りたい」「離婚前と離婚後、どちらに売ればいいのか分からない」という段階でも、査定によって現在の不動産価値を把握しておけば、その後の判断材料になります。
現在の不動産価格を知ることで、財産分与や住宅ローン、今後の生活設計を具体的に考えやすくなります。
離婚に伴う不動産売却でお悩みの方は、まずは現在の不動産価格を確認するところから始めてみてください。
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「いくらで売れるのか知りたい」だけでもお気軽にご相談ください。
離婚の不動産売却は詳しい専門家へ相談するのがオススメです。
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