投資用不動産は金利上昇で売却価格が下がる?影響と売却タイミングを解説

投資用不動産は金利上昇で売却価格が下がる?影響と売却タイミングを解説

投資用不動産:金利上昇の影響

「金利が上昇すると、投資用不動産の売却価格は下がる?」
投資用マンションやアパート、収益ビルなどを所有している方にとって、金利上昇は無視できない問題です。

結論からいうと、金利上昇は投資用不動産の売却価格に下落圧力をかける可能性があります。
ただし、金利が1%上がったから不動産価格も一律に何%下がる、という単純な関係ではありません。
実際の売却価格は、賃料収入、空室率、物件の立地、築年数、融資条件、投資家が求める利回りなど、複数の要素によって決まります。

この記事では、投資用不動産の売却を検討している方に向けて、金利上昇が売却価格に与える影響と、売却を判断する際のポイントを詳しく解説します。

投資用不動産の価格を考えるうえで重要なのが、「その物件から将来どれだけ収益を得られるか」という考え方です。
そのため、金利上昇によって投資家の資金調達コストが高くなると、投資用不動産の価格形成にも影響が出てきます。

代表的な流れは次のとおりです。

金利上昇

不動産投資の借入コスト上昇

投資家が求める利回りが上昇

同じ収益の物件でも価格が下がる方向に働く

つまり、金利上昇が直接「不動産価格」を決めるわけではありませんが、投資家の購入可能額や要求利回りを通じて売却価格に影響するのです。

投資用不動産の価格を理解するために、簡単な例を見てみましょう。

年間の純収益が500万円の物件があるとします。
還元利回りを5%とすると、500万円 ÷ 5% = 1億円となります。

一方、投資家が6%の利回りを求める市場になった場合、500万円 ÷ 6% = 約8,333万円となります。

このように、収益が変わらなくても、投資家が求める利回りが上昇すると、理論上の価格は低下します。

もちろん、実際の売却価格はこの計算だけで決まるものではありません。
周辺の成約事例、物件の競争力、将来の賃料、修繕リスク、融資条件なども含めて判断されます。

しかし、金利上昇局面では「収益が同じなのに価格が下がる」ということが起こり得るという点は、投資用不動産を売却するうえで非常に重要です。

投資用不動産を購入する投資家の多くは、自己資金だけではなく金融機関から融資を受けます。
金利が上昇すると、同じ金額を借りても返済負担が増加します。

そのため、「この物件は欲しいが、今の金利では投資採算が合わない」という判断をされる可能性があります。
購入希望者が減れば、売却時の価格交渉も厳しくなる可能性があります。

金利上昇によって安全資産や借入コストなど投資環境が変化すると、不動産投資でもより高い収益性を求める動きが出ることがあります。
特に、借入比率が高い物件や収益性が低い物件は影響を受けやすくなります。

金利上昇は、所有中のキャッシュフローにも影響します。
たとえば変動金利で融資を受けている場合、金利上昇によって毎月の返済額が増える可能性があります。

家賃収入が変わらないにもかかわらず支出が増えれば、手残りのキャッシュフローは減少します。
こうした状況が続くと、「今後さらに金利が上がる前に売却したい」と考えるオーナーも増えてきます。

金利上昇局面では、すべての投資家が同じ条件で購入できるわけではありません。
自己資金が多い投資家、金融機関から高い評価を得やすい投資家、融資条件の良い投資家などは、比較的有利に購入できる場合があります。

そのため、投資用不動産の売却では、単純に「高く査定した会社」を選ぶだけでなく、現在の金融環境で実際に購入できる投資家へ売却できる会社かどうかが重要になります。

ここは非常に重要なポイントです。
「金利が上がったから投資用不動産は必ず安くなる」と考えるのは適切ではありません。

  • 駅から近く賃貸需要が強い
  • 空室率が低い
  • 家賃が安定している
  • 修繕リスクが小さい
  • 築年数が比較的浅い
  • 土地の資産価値が高い
  • 長期的な賃料上昇が期待できる

こういった投資用物件は、金利上昇の影響を受けても相対的に評価されやすい傾向があります。

一方で、金利上昇による影響を受けやすい投資用物件もあります。

  • 空室が多い
  • 家賃が下落傾向
  • 修繕費が大きい
  • 借入比率が高い
  • 築古で競争力が弱い
  • 利回りが低い

つまり、金利そのものだけではなく、「その物件がどれだけ安定して収益を生み出せるか」が重要です。

2026年7月31日、日本銀行は無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.0%程度で推移させる方針を決定しています。
そのため、投資用不動産のオーナーは「現在の金利」だけを見るのではなく、今後さらに金利が上昇した場合、自分の物件の収益性がどうなるかまで考えて売却戦略を立てることが重要です。

なお、国土交通省は全国の取引価格情報をもとに不動産価格指数を毎月公表しています。
投資用不動産の価格を検討する際には、こうした市場データと個別物件の収益性を合わせて見ることが重要です。

金利が上昇しているからといって、すべてのオーナーが急いで売却する必要があるわけではありません。

判断するときは、次の3つを比較することが重要です。

今後も安定して家賃収入が得られるのであれば、無理に売却しないという選択肢もあります。

変動金利で借りている場合は、今後の金利上昇によってキャッシュフローがどこまで悪化するのか確認する必要があります。

最も重要なのは、現在いくらで売却できるのかを把握することです。
「金利が上がるかもしれないから売る」ではなく、保有する利益とリスクを比較して判断することが重要です。

現在の価格今後得られる収益今後の金利・修繕・空室リスク

投資用不動産の査定では、高い査定額を提示する会社が必ずしも良いとは限りません。
重要なのは、その査定価格で本当に買い手が見つかるのかという点です。

特に金利上昇局面では、投資家の融資環境が変化しているため、過去の相場だけを参考に価格を設定すると、「査定価格は高かったのに売れない」ということが起こる可能性があります。
そのため、多角的に売却価格を検討することが重要です。

  • 現在の投資家ニーズ
  • 想定利回り
  • 周辺の成約事例
  • 家賃収入
  • 空室率
  • 修繕リスク
  • 残債
  • 金融機関の融資環境

金利上昇局面では、単に「高く売る」だけではなく、適切なタイミングで、購入できる投資家に、適正価格で売ることが重要です。
特に次のようなケースでは、一度売却価格を確認しておくことをおすすめします。

「借入金利が上昇してキャッシュフローが悪化してきた」

「今後の金利上昇が不安」

「物件価格がピークなのか判断できない」

「築年数が進み、今後修繕費が増えそう」

「現在の物件価格と残債を比較したい」

「売却した場合と保有し続けた場合を比較したい」

このような場合は、売却を決断する前に、現在の市場価格を把握することが第一歩です。

投資用不動産では、金利上昇によって融資コストが増加し、投資家が求める利回りや購入可能額が変化することで、売却価格に下落圧力がかかる可能性があります。

ただし、金利上昇だけで価格が決まるわけではありません。
物件の立地、賃料、空室率、築年数、修繕リスク、土地価値、融資条件などによって影響は大きく異なります。

だからこそ、金利上昇局面で重要なのは、「金利が上がったから急いで売る」ことではなく、「今売るといくらになるのか」を把握したうえで判断することです。

投資用不動産の売却を検討している場合は、現在の査定価格だけでなく、今後保有した場合の収益と売却した場合の手取り額を比較することをおすすめします。

投資用不動産の売却価格は、一般的な居住用不動産とは異なり、収益性や投資家の購入条件が大きく影響します。
金利上昇による影響を踏まえて売却価格を確認したい場合は、まず現在の物件価値と売却後の手取り額を把握することから始めましょう。


投資用不動産を売却するときは、出口戦略に強い不動産会社に相談するのがオススメです。

横浜市近郊の投資用不動産は『売却専門の不動産会社ジャンクション』へご相談ください。

辻 貴史

JUNXION Inc. 代表取締役 – 宅地建物取引士

有名不動産投資会社・大手不動産会社を経て、2019年に売却専門の不動産会社JUNXION Inc.を設立。
透明性が高いサービスは、横浜や東京などの首都圏を中心に不動産をもつ多くのオーナーや投資家から支持され、相談件数は年間1,000件を超える。

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