マンション売却査定の評価ポイント

マンションの売却を考える時に、最初に行うのが不動産会社の査定です。査定の評価方法は評点の加算によって行なわれますが、それだけでは希少価値を見落としてしまう可能性もあるため、購入希望者がマンションを選ぶ時に高評価のポイントを知って売却査定に備えましょう。

マンション査定で高評価のポイント

マンションの資産価値は築年数の経過と共に徐々に下がるのが一般的ですが、一定の条件を満たすマンションでは資産価値を維持もしくは上昇することがあります。それは土地の価格(地価)の上昇や新駅・施設等の新設といった周辺環境の変化が関係していますが、近隣の新築マンションの販売価格が高騰していることが中古マンションの売却価格に影響することもあります。マンションを売る場合、どのようなポイントが購入希望者に高評価となるのか事前に確認しておきましょう。

立地

駅徒歩分数

一般的にマンション購入検討者は徒歩10分以内をベースに徒歩5分以内を理想、徒歩15分を上限と考える方が多い傾向にあります。駅からの所要時間は中古マンション販売情報サイト等で比較検討するための絞り込みをおこなう際に設定される代表的な条件です。駅から徒歩10分の距離を超えると候補から除外されやすく、購入検討者の数が減るため売れにくくなります。中長期的に共働き世帯が増加し続けている状況では駅からの距離は特に重視されます。そのため最寄り駅からの距離を重視する傾向は今後もより強まる見込みです。

閑静な住宅街

静かな住宅街での暮らしの快適さは想像に難しくないと思います。交通量の多い幹線道路沿いや繁華街に面したマンションに住んだことがある方であれば静かな住環境の大切さは外せないポイントであり、静けさがプラスαの魅力となることは間違いありません。また「大型商業施設」「駅直結」「大きい病院」などの条件も同時に満たすマンションの数は多くないため、その希少性から高い付加価値がつきます。
一方で、生活利便性とのバランスを考え、都市型の大規模マンションを一つの街と捉えて暮らしを想像する方も増えています。

角住戸

角住戸とはマンションの同一フロア内で端に位置する住戸のことです。両隣が別住戸と接している中住戸に比べて独立性が高くなるため人気が高く、同じマンション内でも数が限られるため希少性の高さという点でも付加価値を見込むことができます。
また、角住戸は2方向・3方向の方角に面しているため中住戸に比べて窓の数が多い場合が多く、日当りや風通しを気にされる方が重視するポイントです。メインバルコニー方向の日当りが悪い場合でも、その他の窓から日当りを補う事が可能です。

所在階

上層階ほど値崩れしにくいと言われていますが、周辺環境や眺望によっても変わります。重要なのは周辺のビルやマンションといった建物で日照や視界を遮られないこと、住戸からの眺望はどうかという点です。逆に日当りと眺望をクリアしていれば階数によって売却時に不利になるということはありません。前面に建物が建っていて眺望があまり良くないというマンションであっても、建物との距離が十分に確保されていて圧迫感がなく、日当りがあれば問題なく売却できるでしょう。購入希望者が重視するのは、あくまで住み心地の良さです。

方角・方位

資産性の面では基本的に日当りの良い南向きが有利ですが、北向きの住戸の場合でも、眺望やルーフバルコニー等のプラス要因があると評価は高くなります。タワーマンション等の大規模マンションでは北向きの住戸であっても陽当りによる室温の上昇やインテリアの日焼けを防ぐ目的で好まれる方が多い特徴があります。
1997年に建築基準法の改正によって建設がはじまったタワーマンションは首都圏では2018年末時点で181棟・約8万戸の供給数があり、居住経験を基に住替えを考える方が増えた近年の特徴です。

眺望

所在階が高いほど査定価格が高くなるのは、主に採光や眺望に差が出るためです。採光や眺望は周辺の建物にも影響を受けるので、住戸によっても異なります。所在階や方角に関係なく購入希望者へアピールできる特徴が眺望です。
「東京タワーやスカイツリー、富士山が見える」「海が見える」「花火が見える」「夜景がきれい」といった眺望がは希少性が高いことを伝えやすい特徴です。購入希望者によっては眺望を最も重視されている場合も少なくありません。特別なものが無くても売主様が気に入っている眺望であれば、査定時に伝えてみましょう。

構造・規模

間取り・広さ

部屋数を重視する方が主流のため「3LDK以上の間取りが人気」というのは過去の話です。近年では部屋数よりもリビングのゆとりを重視する方が増え、専有面積に対して無理に部屋数を増やした間取りは敬遠される傾向にあります。将来、家族構成が変わった時にリノベーションで間取りを変更することもできるため汎用性が高く可変性に富んだ2LDKや1LDKなどの広さを感じやすい間取りも共働き・シニア世帯のニーズを伸ばしています。マンション売却では市場ニーズの変化も視野に入れましょう。

耐震構造

現在、マンション購入を検討されている方の多くが各地の震災を鮮明に記憶されています。同居家族の安全やマンションという大切な資産を守り続けられるかどうかは非常に大きな関心事です。そのためマンションの被害が軽減される耐震構造(制震・免震構造)を望む方が多いのも頷けます。日本は地震大国ということもあり、マンションの安全性確保と備えは不可欠であり最大の付加価値です。

総戸数

基本的に総戸数が多いほど共用施設やサービスが充実し、管理費や修繕積立金の負担が軽くなるため、規模が大きいマンションは購入を検討している方が多く、売れやすい傾向があります。共用施設の充実度だけではなく、躯体の堅牢さや商業施設の併設など、大規模マンションならではのスケールメリットを活かした生活環境づくりも中古市場では評価されるポイントです。ただし「使わない施設が多いと管理費がもったいない」「管理総会がまとまりづらい」など、大規模マンションを敬遠する方もいます。

二重床・二重天井

コンクリート(躯体)と室内の天井・床に空間があり、防音性が高い二重床・二重天井。防音性以外にも天井裏・床下の空間に配管類がある程度隠れるため、天井・床が「すっきり」するメリットが挙げられます。新規にリフォームしようとする高額な二重床・二重天井も、分譲時から仕様のマンションは、天井裏や床下の空間で設備配管を動かせるので、将来の間取り変更に柔軟に対応できます。

築年数

建築技術や住宅設備などは日進月歩で進化するため中古市場では新しいマンションほど高値で取引される傾向があります。ただし、住環境や生活利便性など好条件が整っていると築年数が古くても資産価値を高く維持する場合も。
新耐震基準に見直された1981年以降のマンションや、耐震基準が旧耐震基準であっても耐震補強工事を実施しているマンションは売却で不利ということはありません。1999年に住宅性能表示制度が導入され築15~20年のマンションでも建物の性能は新築と大差はありません。

アウトフレーム工法

室内にデッドスペースができやすい柱や梁を、バルコニーや共用廊下などの室外側へ移動することで、室内をすっきりと広く使えるアウトフレーム工法。有効面積が広いだけでなく、間取り変更などのリフォーム時に柱や梁を考慮する必要が無いのも特徴です。マンションを支える構造部分なので、新築分譲時からアウトフレーム工法で施工されているマンションは購入希望者へアピールできるメリットです。

設備・施設

24時間有人管理

防犯面での安心感はもとより設備類の不具合など即対応してもらえる点でも人気があります。単身の場合でも管理員や警備員が常駐しているとセキュリティー面で安心できます。深夜でも人の往来が活発な地域など防犯対策の重要性が高いエリアではセキュリティー面を考慮し24時間有人管理はお金を払ってでも手に入れたい付加価値として捉えられています。

バルコニーや屋上等の充実

バルコニーや専用庭、屋上などを求める方の数は多くなっています。「観葉植物を育てたい」「花火大会を鑑賞したい」などの需要があるためワイドスパンバルコニーやルーフバルコニーがある住戸は希少価値があります。一方で、一階の住戸もエントランスまでの距離が近いことや下階への音を気にしなくていいためシニア世代や小さなお子様がいるファミリー層に人気です。

マンション敷地内に駐車場がある

待ち時間や維持コスト、車種制限など機械式立体駐車場のデメリットを意識して平置き駐車場を希望される方が多く、特にマイカーが日常の足になる方は平置き駐車場を重視されます。週末に買い物やレジャーに出かけるという方は機械式駐車場を好まれる方もいます。マンション敷地内駐車場は収容可能台数が十分確保されているかも重要なポイントです。

周辺施設

大型商業施設が近くにある

さまざまな店舗や娯楽施設などが入った大型商業施設がマンションの近隣にあれば生活圏がコンパクトになって便利です。老後の備えとして、将来クルマを運転できなくなった場合などの利便性など、人生100年時代に長く暮らすことを考えて購入する方も少なくなりません。大型商業施設と一体的に開発されたマンションは中古市場でも人気が落ちづらい特徴があります。

大きな病院が近くにある

診療科や医療スタッフが多い大きな病院が近隣にあれば心強いため、小さな子供がいるファミリー層やシニア層から人気があります。今後、シニア層は増加傾向にあるため売却時には一定以上のニーズを期待できるでしょう。
ただし「小さなクリニックの方が待ち時間が少ない」「救急車の出入りが多く音が気になる」という声もあります。

学区

公立の小学校や中学校の学区は住所によって決められているため、対象のお子様がいるファミリー層がマンションを買う時に重要になるポイントです。また、将来を見越して高校や大学への通学ができるエリア内と判断されることも子育て世代には魅力的なマンションに映ることでしょう。有名私立までアクセスが良い場合にも、同様に売却時の強みと捉えることができます。

その他、マンション高評価のポイント

  • 収納が多い
  • 最上階
  • 広い専用庭付き住戸
  • ルーフバルコニー付き住戸
  • ベンチを置けるワイドスパンバルコニー
  • 24時間ゴミ出し可
  • 共用施設の充実度
  • 大きな公園や庭園に隣接
  • 子育て環境の充実
  • 通勤・通学に便利な駅近

マンション規模の評価ポイント

マンションによって異なる大きな特徴が規模です。大規模マンションと小規模マンションの特徴から、立地に限らず共用施設などのスケールメリットを含めて評価されるポイントを確認しましょう。

マンション規模の違い

マンションは総戸数や総階数などの規模がそれぞれ異なります。

大規模マンション
(総戸数100戸以上)

タワーマンション
20階建て以上のマンション。総戸数300戸以上が多く、50階建て以上で総戸数600戸を超えるメガタワーマンションもある。

多棟マンション
広い敷地に20階建て未満の複数の棟が建つことが多い。総戸数300戸以上のタウン型のマンションも。


中・高層マンション
100戸以上で敷地が広めの板状型と狭い敷地に建てられるペンシル型があり、最も多いマンション。

小規模マンション
(総戸数100戸未満)

中・低層マンション
3~5階建てが中心。総戸数50戸以下が多く、戸建中心の閑静な住宅街やビルが建ち並ぶ繁華街に多いマンション。

マンション立地条件の違い

都心までの交通アクセスや駅からの距離などの違い。通勤や生活圏を重視される方が多いポイント。

大規模マンション
棟数は限られるが戸数が多い

都心や郊外の駅前など再開発エリアが主流のタワーマンション
都心の湾岸地域に代表される再開発エリアや、郊外の駅前再開発に合わせて供給されるケースが多い。敷地内にマンション居住者以外も利用できる広場など公開空地を設けるタワーマンションもある。

都心近郊や郊外の大規模な敷地に立地する多棟マンション
郊外の大規模な工場や倉庫の跡地など大きな敷地に供給される。駅から遠い立地なら入居者専用バスを運行するケースも。敷地内公園や植栽を設け自然環境を充実させることも多い。


都心から郊外、駅近から駅遠まで広範囲に立地する中・高層マンション
狭い敷地でも階数を高くして建築できるためエリアや駅からの距離を問わず数が多い。敷地が広い場合は採光面が広い長方形に、狭い場合はワンフロアあたりの住戸数が少なくなる。

小規模マンション
棟数が多いが戸数は限られる

戸建中心の静かな住宅街やビルが建ち並ぶ繁華街に多い中・低層マンション
静かな住宅街や駅前の商業地域に建つケースが主流。戸建や低層マンションが中心のエリアに供給されることが多く、住環境に静けさや利便性を求める方に向いている。

マンション周辺の環境=用途地域

用途地域とは商業地・住宅地など、その土地の用途を示したものです。用途地域ごとにマンションや戸建といった建築物の基準があります。マンションが多く建っている用途地域を紹介します。

商業地域

商業施設中心の街。タワーマンションや高層マンションが多い。駅の周りなど商業施設やオフィスが建ち並ぶ街で利便性が良い。一方、電車や車などの交通や人の往来などで騒音や臭気がある可能性も。

第一種・第二種中高層住居専用地域

マンションが中心でスーパーマーケットなど生活環境も充実。マンション等の住宅以外に学校や病院など生活に必要な施設のみ建設可能であるため落ち着いた環境に住みたい方向き。

準工業地域

かつて町工場や倉庫・施設と住宅が混在していた地域。工場からマンション等へ建替えが進み、現在はマンション街に変貌した地域も多い。
※工場の跡地等では土壌汚染があることも。水質等の調査は必須。

競合マンションの違い

マンション規模の違いから売却時に競合となるマンション物件の数も変わります。

大規模マンション
敷地にゆとりがあるため眺望が良い住戸が多い

ワイドスパンの間取りが見つかりやすいタワーマンション
タワーマンションでは一棟の中で南向き・北向きなど東西南北の方位が選べる。北向きでも明るく、景色も綺麗に見えるため、陽当りよりも眺望で選ぶ方も多い。バルコニーに救数の居室が面したワイドスパンの間取りも探しやすい。

間取りプランが豊富で専用庭が付く部屋もある多棟マンション
多棟マンションでは棟によってバルコニーの向きや間取りプランに違いがあるため一つのマンションでも多彩な間取りを比較検討しやすい。メゾネットや専用庭付きなど、他のマンションでは探しづらい住戸が設けられているケースも。

大規模マンションはバルコニー側に公園や中庭など広いオープンスペースを設けているマンションが多い。そのため低層階でもリビングからの視界が広く、開放感のある住戸を探しやすいのが特徴。一方で中・高層マンションでもバルコニー側にビルや同規模のマンションが建っていることも。

小規模マンション
眺望や開放感は個別性が高い

角住戸の割合が高い都会のペンシル型マンション
数十戸の規模で階数が10階以上のペンシル型マンションはワンフロアごとの住戸数が少なくなるため、住戸の複数方向に窓があり通風や採光に優れた角住戸が見つかる割合が大規模マンションに比べて高い。

閑静な住宅街に建つ陽当りが良い低層マンション
低層マンションは戸建住宅街に建つマンションも多く、陽当りが良いことも。上階にいくほど住戸数が減る階段状のマンションもあり、ルーフバルコニー付きのマンションも探しやすい。一方、戸建が競合となる可能性が高い。

一般的にはバルコニー側に建物が建っていて眺望は無いものと考えていい。低層マンションであっても周りの建物との間隔が空いていて開放感があるマンションもあるが、立地によって、幹線道路や電車の線路等の騒音や臭気といった別の問題も。

マンション内施設の違い

所有者が使用できる共用施設や管理・サービスが充実していると、生活利便性がアップします。

大規模マンション
多彩な共用施設が魅力、24時間管理も

大規模マンションに多い暮らしに便利な共用施設

コンシェルジュサービス
共用施設の予約やクリーニングの取り次ぎ、宅配物の発送手配など生活に必要なサポートをしてくれる。

ゲストルーム
予約制で親族や友人などが宿泊できる施設。1泊数千円程度と低価格で利用しやすい。

ミニショップ
食料品や調味料・日用品などがすぐに買える。マンションの敷地外へ出る必要が無いため、買い忘れやストックを切らした時に便利。


キッズルーム
雨の日など天候に関係なく快適に遊べるスペース。親同士のコミュニケーションが生まれる場所にも。


カフェスペース
待ち合わせや談笑の場として気軽に使えるくつろぎの場。パンやコーヒー等が販売されているマンションもある。


ライブラリー
マンション居住者が本を読んだり、勉強をするスペースとして利用できる。


パーティールーム
誕生日会や知人を招いてのパーティー等で利用できる。家族や友人との思い出づくりに一役買ってくれる。


ジム
体を動かしたくなった時にマンション敷地外へ出ることなく運動することができる。マンション室内ではスペースが足りない時や、専用の機械を使ったトレーニングをしたい時に便利。

大規模マンションの中でも特に総戸数が数百戸規模のマンションではスケールメリットを活かして多彩な共用施設を設置しているケースが多い。24時間有人管理など管理やセキュリティ面も充実している。

小規模マンション
施設は生活密着型、管理は日勤・巡回が主流

小規模マンションでも期待できる共用施設

宅配ボックス
不在時に配達された宅配物を一時的に保管できる。ネットショッピングを利用する方や、帰宅時刻が遅い方に便利。

ゴミステーション
ある程度の総戸数のマンションでは24時間ゴミ捨て可能が一般的。


備蓄倉庫
非常食等の防災用品を保管するための倉庫。自治体によっては一定規模以上のマンションには設置を義務付けている場合も。

管理費等のランニングコストを抑えるため、日常生活に最低限必要な共用施設に絞ることが多い。管理人は日勤または週3~4回の巡回型の管理体制をとるマンションが主流。

マンション管理費の評価ポイント

マンションの資産価値や快適な住み心地を守るためには、マンションの管理状況が大切です。毎月支払うランニングコスト、管理費と修繕積立金について個別に見ていきましょう。

管理費と修繕積立金の違い

マンションの所有者は「管理費」と「修繕積立金」を月々支払います。どちらもマンションの敷地と建物のメンテナンスに使うお金ですが、使い道は異なります。

「管理費」
日々のメンテナンス費用

マンションの管理は日々の手入れが大切です。エントランスや廊下、植栽などの共用部分に係る日々のメンテナンスに使われるのが管理費です。具体的にはマンション管理会社への業務委託費や管理組合の運営経費として支払う金額です。

管理費が使われるメンテナンス用途

マンションの共用部分であるエントランスや廊下、エレベーターや敷地内の植栽などを清掃したり、設備・備品などが壊れた箇所の補修、受付業務等をおこないます。実際に作業をするのはマンション管理会社のスタッフや専門会社の担当者です。その他、マンションの住人(区分所有者)全員で構成される管理組合を運営するための理事会や総会の事務経費なども管理費から支出されます。

管理費の内訳

・事務経費
管理会社業務/管理組合運営

・清掃
管理会社や専門会社がマンション共用部を快適に保つ費用

・セキュリティ
防犯カメラの設置や警備システムの導入・維持などの費用
大規模マンションでは夜間の警備員を配置するための人件費も必要


・光熱費
共用部分の照明や冷暖房、エレベーター等の電気設備の光熱費

・点検
給水ポンプ、警備システムといった設備類の点検
エレベーターなどは定期点検を法律で義務付けられている


・備品/補修
ロビーやラウンジなど共用部分の補修
防災用品や工具等の備品補充

マンションの規模で適正な管理費は異なる

管理費の額はマンションの規模や共用部にどんな共用施設があるか、その数や規模によって異なります。一般的に管理コストを多くの住戸で負担する規模のメリットがある総戸数100~300戸のマンションは管理費が低い傾向があります。首都圏では1万5千円前後が平均相場ですが、共用施設の充実度に比例して管理費は高くなります。

「修繕積立金」
長期のメンテナンス費用

築年数が経過したマンションは当然古くなり修繕工事が必要になります。約10年ごとの共用部分の大規模修繕工事のための費用が修繕積立金です。マンション管理組合で修繕積立金を積み立て、必要に応じて計画的に使われます。

修繕積立金が使われるメンテナンス用途

修繕積立金の使い道である長期のメンテナンスとは、マンションの外壁補修や塗り替え、屋上の防水工事、給排水管の補修や取り換え、外階段の手すりの塗り替え、エレベーターの交換といった大規模な修繕工事のことです。金額が大きいのでマンション全体で月々少しづつ積み立て、十数年ごとに大規模修繕工事に使用されます。

修繕積立金の内訳

・外壁補修 10数年ごと
タイルの貼り換え/塗装の塗り替え等

・給排水管 10~20年ごと
給排水管の詰まりや破損の補修/交換


・エレベーター 30数年ごと
10数年ごとの補修工事とは別に取り換え工事が必要


・屋上防水 10~20年ごと
劣化した雨漏りを防ぐための防水処理


・床防水 10~20年ごと
戸外に面した共用廊下の防水処理


・エントランス  10~20年ごと
痛みが目立つ場合の模様替え工事

補修工事に応じて修繕積立金の見直しも

修繕積立金の額は高層階ほど高くなる傾向があります。それは高層階ほど専有面積が広い住戸が多く、面積と修繕積立金の額は比例するためです。また、築年数の経過にともない修繕積立金が上がるように計画されているケースが一般的です。長期の修繕計画には毎月支払う修繕積立金の他に、定期的に一時金として数十万円を支払う計画が組まれていたり、値上げを検討している場合もあるため確認が必要です。

管理費と修繕積立金の注意点

管理費と管理状態が比例しているか注意

管理費を支払っているのにマンションの管理状態が悪いケースもあります。エントランス周辺がいつも汚れていたり、管理室内に管理人の私物や掃除用具が散乱しているようなマンションも少なくありません。管理費を支払っているのに、マンション管理会社の管理が金額と不釣り合いの場合には管理総会で管理会社を見直す必要がありますので注意しましょう。

長期修繕計画に無い一時金や修繕積立金の値上げに注意

修繕積立金はマンションという資産を長期で維持するための大切な資金です。長期修繕計画に基づいて決められた修繕積立金ですが、途中で値上げされるケースも少なくありません。修繕積立金総額を確認し、値上げや一時金、将来不足する心配はないか等、算定の根拠やルールを確認しておく必要があります。

管理会社と管理組合の違い

管理組合が決めた方針を業務委託した管理会社が行う

マンション管理で重要な役割を担うのが管理組合と管理会社です。管理組合はマンション区分所有者全員が組合員となり、その中から選ばれた理事や理事長が運営に携わり、管理組合から委託されて業務をおこなうのがマンション管理会社です。管理の主役として方針を決めるのは管理組合ですが、実務を担当する管理会社のサポートも欠かせません。

管理費/修繕積立金がないマンション

マンションは管理を買う

複数の区分所有者で管理を行うマンションでは、管理組合の方針に基づいた管理をお金を掛けて定期的に行う必要があります。「マンションは管理を買う」といわれるように、管理の行き届いたマンションは築年数が経過しても新しく見えるうえに、共用部分もとても綺麗にされています。マンション全体の水漏れ等のトラブルも無く快適であることが想像できるため、売却情報が出るとすぐに購入申し込みが入る人気マンションでは管理状態が良好であることは基本といえます。では管理費・修繕積立金が無いとはどういうことなのでしょうか。

管理と修繕がされなければスラム化も

マンションの売却情報の広告や販売図面などに「管理組合無し、管理費・修繕積立金無し」というものがあります。「自主管理」などと記載されている場合もあります。オーナーが一棟まるごと所有しているマンションであれば、必要に応じて内外壁塗装工事や防水工事を実施しますが、区分所有のマンションでは清掃のや光熱費の費用負担や共用部分の備品の交換は誰がおこなうのでしょうか。「うるさい管理組合や管理人もいないし、管理費・修繕積立金の支払いもなくて良い」といった考え方もありますが、管理会社もなく管理費や修繕積立金も無い、実際に管理がされていないマンションはスラム化する可能性があるのです。

無法地帯のスラムマンション

スラムマンション化すると最悪の場合、無法地帯となって違法エステや詐欺集団の事務所、高利金融会社の事務所、さらには暴力団等の反社会勢力の事務所としても使われてしまう可能性が高くなります。風俗や暴力団の事務所には200m規制もあり、なかなか借りられるマンションが無いため、こうした管理人がおらず管理されていないマンションに第三者の名前を借りて入居し、実態は暴力団の事務所だったという事例は多くあるのです。

管理・修繕がされないと次々と問題が

共用部分の電気料を払わないと、貯水タンクに水を汲み上げて使うタイプの水道の場合、電気が断たれるとポンプが働かず水もストップしてしまいます。また、建築基準法の鉄筋コンクリートの耐久基準は60年、国土交通省が目安とする大規模補修工事の実施周期は12年に1度です。10~15年ごとに大規模修繕が行われていないと、外壁や屋上の防水機能が弱くなり漏水が起こります。鉄筋コンクリートは、鉄とコンクリートにより強度を保っていますが、コンクリートに含まれた水は鉄筋を錆びさせます。錆びた鉄筋は2~3倍に膨張しコンクリートを内側から破壊していき、そこから更に雨水が浸透し雨漏りマンションになってしまうのです。
エレベーターなどの設備も定期点検や部品交換をしないと事故につながり人命にかかわってきます。管理組合・管理人や管理会社の入っていないマンションはやはり問題が多く、新しいうちはよくても、20年後、30年後には建物の老朽化とともに、問題満載のマンションになっていくのです。これでは、資産価値は大きく目減りしてしまいます。

管理費・修繕積立金の滞納請求

こうした管理組合や管理人のいないマンションでは、自主管理といって住民による「管理組合もどき」があり、最低限の掃除代や共用部の蛍光灯の交換代を集金して、何とか支払いをしているというのが現状です。しかし住民による自主管理組合では信用性がないため、管理費や修繕積立金の支払いを遅らせてしまう住民も多く、管理状態の悪化に繋がります。
また、1年ごとに持ち回りで管理人を決めたりもしますが、時間がある方は高齢者だったり年金暮らしの方である場合が多く、積極的に管理費等の集金ができません。管理費は「定期給付債権」といって5年という短期間で時効になるため悠長な管理会社の場合いつのまにか5年が経過し、滞納された管理費を徴収できなくなりスラムマンションになってしまうのです。管理費や修繕積立金の滞納者に対する早急な対応ができない管理会社である場合、すぐに管理会社を変更するべきでしょう。

マンション管理・修繕の売却への影響

管理・修繕の状態は数字に現れる

マンションを売却する場合に、マンション管理組合の修繕積立金の貯蓄残高、大規模修繕工事実施状況から収支のバランス等は購入希望者がしっかり確認されるポイントです。築年数の経過とともに増えていく毎月の修繕積立金の負担額や、修繕工事を控え工事代金が不足し各区分所有者に請求される追加の費用などは把握しておいた方が良いでしょう。また、修繕積立金の貯蓄が少ないどころか管理費の滞納額が多く管理費が赤字となっていて修繕積立金を食いつぶしている場合や、マンション管理組合が取りまとめることが出来ず経理上赤字が続くと、管理会社は逃げ出していきます。そうなれば、無管理状態のスラムマンションとなり、売却価格や売却期間に悪影響を及ぼすため健全なマンション維持管理のためにも管理費・修繕積立金は必ず必要になるお金だということは覚えておきたいところです。

カスタマイズ・リフォームの評価ポイント

新築マンションでは購入者のライフスタイルや好みに合わせて間取りやインテリア内装・設備をカスタマイズすることができます。差額を支払うことで家族構成に合わせて部屋数を2LDKから3LDKに変更したり、フローリングやクロス、扉や収納など建具や内装の色を選べるほか、水回り等の設備のグレードを上げてオリジナルの住戸を造りあげるプランです。マンションでカスタマイズやリフォームを行う際に注意したいポイントがいくつかあります。

気を付けたいカスタマイズとリフォーム

カスタマイズ・リフォームで注意するポイント

・リビングを狭くして部屋数を増やす
・ダークトーンの壁紙や床材・建具の色見を選択し部屋全体が暗い印象になる
・床材・建具・壁紙等すべて白色を選択し汚れが目立ち日々の掃除が苦労する
・キッチンや浴室等の水回り設備をグレードアップしすぎる豪華仕様

ライフスタイルや好みに合わせて間取りや内装設備をカスタマイズしたものの「想像よりも狭くなってしまった」間取りや、「自分は気に入ってるが」他人が気に入るとは限らない色調や、「ずっと使うと思ってたから」導入した高価でオーバースペックな設備など、売却時にプラス査定にならず売主様が驚かれることも少なくありません。次の購入者がリフォーム工事を入れる可能性はありますが、費用がかかるため値下げ交渉の材料とされることが多く、カスタマイズにお金を掛けた結果損をしてしまう可能性が高いのです。カスタマイズで注意するポイントは快適性や明るさを犠牲にしないこと、居心地の良さを壊さないことです。
また、リノベーション工事済の中古マンションも奇抜な内装や設備・仕様の場合、売却時に苦戦する可能性があるため注意が必要です。


ここまでマンションの売却査定の評価ポイントをご紹介してきましたが評価基準は多岐に渡ります。不動産査定では、これに加えて新築マンションの供給状況や分譲価格などの市場動向を含めて査定算出を行います。より詳しい査定内容や査定結果を知りたい場合には、信頼できる不動産会社に査定を依頼しましょう。