横浜市の不動産を売却するときに役立つ土地価格・マンション価格の推移などのデータから分かりやすく解説します。
横浜市の土地・戸建やマンションの『売り時はいつなのか?』について、損をしないためにも考えてみましょう。
横浜市の不動産市場の特徴
横浜市の地域情報や特徴から、どのような不動産事情を持った街なのか見ていきましょう。
横浜市の多彩な魅力
横浜市は江戸時代末期にペリーが来航して日米修好通商条約を締結し、神奈川港が開かれるまで漁業を営む村でした。神奈川港で貿易が盛んになってからは多くの外国人が横浜市に住居をかまえ、居住地としても高級住宅街として発展することになります。主要貿易港で外国との窓口である横浜市は文明開化の中心となり、日本初のガス灯をはじめ近代街路樹や鉄橋が整備されました。その後、関東大震災や第二次世界大戦で甚大な被害を受けるも、1960年代からの都市計画プロジェクトで大成長を遂げました。
横浜市といえば横浜港周辺が観光地として全国に知られ、超高層ビルの横浜ランドマークタワーやクイーンズスクエアなどの複合商業施設でショッピングを楽しむこともできます。2000年代から開発が続くみなとみらいエリアは国内外問わず本社や支社を置く大企業も増加しています。
また、金沢方面には八景島シーパラダイスや金沢文庫、湾岸エリアは日本の産業を支える工業の街、横浜市の内陸エリアでは広大な丘陵地に開発された住宅街など、様々な顔を持っていることも横浜市の魅力といえるでしょう。横浜市の丘陵地を開発して作られた住宅街は、坂道が多いのも特徴です。
横浜市は東京のベッドタウンとして発展
横浜市は大阪市や名古屋市を抑えて東京以外で人口が一番多い街です。横浜市に歴史や魅力があることに加えて、東京へのアクセスの良さからベッドタウンとして人気なのがその理由でしょう。東京駅、品川駅、渋谷駅など東京都心へのアクセスの良さは横浜市が群を抜き、横浜駅から東京駅まで26分で移動できます(横浜〜品川間は17分)。
横浜市の中心と言える横浜駅は日本でも有数のターミナル駅で、JR湘南新宿ライン・東海道線・横須賀線・京浜東北線・横浜線・東急東横線・京急線・相鉄本線・みなとみらい線・ブルーライン・成田エクスプレスが通っていて、都心だけではなく湘南方面や成田空港・羽田空港、横浜から西日本への玄関口として東海道新幹線の停車駅である新横浜駅にも一本でアクセスできます。
住みたい街(駅)ランキング7年連続1位
リクルート住まいカンパニーによる住みたい街ランキングでは、横浜が2018〜2024年の7年連続で1位に選ばれています。
※関東圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県)に居住する20〜49歳を対象に実施
横浜市の行政区 – 18区
横浜市は18の行政区に分かれています。
横浜市の行政区
青葉区
旭区
泉区
磯子区
神奈川区
金沢区
港南区
港北区
栄区
瀬谷区
都筑区
鶴見区
戸塚区
中区
西区
保土ケ谷区
緑区
南区
横浜市の土地相場
横浜市でマンションや戸建などの不動産を売買するときに大きく影響するのが土地の価格(地価)です。
まずは横浜市の地価がどのように推移しているのか神奈川県の地価調査・地価公示のデータを基に調べてみましょう。
国土利用計画法施行令第9条の規定に基づき、都道府県知事が、毎年7月1日時点における基準地の正常な価格を9月に公表。
地価公示法に基づき、国土交通省の土地鑑定委員会が、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示。
基準地価格と公示価格は、土地取引価格の指標や取得価格算定の規準として利用されます。
横浜市の土地価格の推移
横浜市の地価は立地によって違うため、住宅地と商業地の地価をそれぞれ平均した価格の推移を見ていきましょう。
神奈川県公式サイト「かながわ地価レポート」より作成
横浜市の住宅地では駅からのアクセスや買い物などの生活利便性が良い立地の地価が高くなる傾向があり、商業地では駅から近い立地や再開発が進む立地ほど地価が高い傾向があります。
商業地の中でも需要が集中し、希少性が高い土地価格は爆発的に上昇するため平均価格を押し上げいることが分かります。
住宅地の地価は比較的安定していますが、商業地の地価が変動するのに合わせて微動しおり、それぞれのエリアで地価平均価格の推移は異なりますが、上昇や下降のタイミングには一致が見られます。
横浜市各区の土地価格の推移
横浜市の土地について
前項では土地について住宅地と商業地に分けていますが、都市における土地利用は住居・商業・工業といった効率的な生活・労働環境を整えるため都市計画で住宅地・商業地・工業地などの種類に区分し、これを「用途地域」として定めています。
横浜市の用途地域
第一種低層住居専用地域
低層住宅のための地域です。
小規模なお店や事務所をかねた住宅や、小中学校などが建てられます。
第二種低層住居専用地域
主に低層住宅のための地域です。
小中学校などのほか、150㎡までの一定のお店などが建てられます。
第一種中高層住居専用地域
中高層住宅のための地域です。
病院や大学、500㎡までの一定のお店などが建てられます。
第二種中高層住居専用地域
主に中高層住宅のための地域です。
病院や大学、1,500㎡までの一定のお店や事務所などの利便施設が建てられます。
第一種住居地域
住居の環境を守るための地域です。
3,000㎡までの店舗、事務所、ホテルなどが建てられます。
第二種住居地域
主に住居の環境を守るための地域です。
店舗、事務所、ホテル、カラオケボックスなどが建てられます。
準住居地域
道路の沿道において、自動車関連施設などの立地と、これと調和した住居の環境を保護するための地域です。
近隣商業地域
日用品の買物などをするための地域。
住宅や店舗のほかに小規模の工場も建てられます。
商業地域
銀行、映画館、飲食店、百貨店などが集まる地域です。
住宅や小規模の工場も建てられます。
準工業地域
軽工業の工場やサービス施設等の地域。
危険性、環境悪化が大きい工場のほかは、ほとんど建てられます。
工業地域
どんな工場でも建てられる地域です。
住宅やお店は建てられますが、学校、病院、ホテルなどは建てられません。
工業専用地域
工場のための地域です。
住宅、お店、学校、病院、ホテルなどは建てられません。
用途地域が指定されている地域では、土地利用に応じた環境の確保のため、建築物の用途の制限にあわせて建て方のルールが定められています。
例えば、土地の面積と建物の床の面積の比率(容積率)や、道路の幅に対する建物の高さなどのルールがあります。
用途地域によって需要があるのに建てられる場所が少ないエリアや売却市場に出てこない人気エリアなどの商業地では、競争状態が生まれ希少価値が高まったときに土地の価格は上がります。
一方で、地価相場が安定している住宅地の戸建や土地を売る場合には、売り時については深く考える必要はありません。
固定資産税などのランニングコストや、戸建の場合には建物の老朽化を防ぐメンテナンス費用などがかかるため、売り時を待つよりも売却期間にゆとりのあるスケジュールで売り出すのが賢明でしょう。
横浜市のマンション相場
横浜市のマンション相場が上がっていると言われる昨今では、マンションの価格が下落する前に高値で売り抜けたいと考えるオーナーも増えています。横浜市にご所有のマンション売却を検討している方のために「売り時はいつなのか」、横浜市のマンション売却相場を多角的に解説します。
横浜市の新築分譲マンション価格の推移
横浜市の新築分譲マンション平均価格は、日銀の異次元金融緩和が発表された2013年(平成25年)を境に急上昇しています。
異次元緩和で住宅ローンが低金利になったことに加えて、東京オリンピック開催に伴う関連施設(競技場・ホテル・インフラなどを含む)の建設ラッシュで建築費用や人件費が高騰し、都心を中心に爆発的に上昇した新築分譲マンションの価格が、横浜市のマンション価格にも影響しています。
横浜市の新築分譲マンション面積の推移
横浜市で新築分譲されたマンションの平均面積は、2003年の79.8㎡(約24坪)をピークに減少傾向にあり、近年では70㎡(約20坪)前後で推移しています。
横浜市は東京のベッドタウンであるため、快適な住環境を維持するためにも面積の増減は少ないことが分かりますが、新築分譲マンションの平均価格と平均面積の推移を比較すると、2000年代前半では広い面積を安く買えていたことが分かります。
横浜市の新築分譲マンション坪単価の推移
横浜市で新築分譲されたマンションの価格と面積の平均値から算出した平均坪単価を見ていきましょう。
価格と坪単価の推移は比例していますが、1990年(バブル期)の1坪/310万円前後から2004年(景気低迷)に底値の1坪/165万円前後まで下落し、オリンピック開催決定後の2017年に1坪/300万円弱まで高騰しています。
注目すべきは異次元緩和の発表から新築分譲マンションの平均価格は上昇しましたが、平均面積については縮小傾向で横這いしている点です。つまり同面積でも坪単価が上がり平均価格が上昇しているという事になります。
新築分譲マンション平均価格と土地価格を比較すると、バブル崩壊前後や景気低迷期は比例していますが、金融緩和以降に土地価格の上昇に比べて新築分譲マンション価格は急上昇しており、いかに東京オリンピック開催に伴う建築費用の高騰が、横浜市の新築分譲マンションの価格に影響しているかが分かります。
マンション購入時期ごとの特徴
バブル崩壊前後
- 価格 高
- 面積 狭
- 坪単価 高
希少価値の高い立地を押さえていることが多い
景気低迷期
- 価格 安
- 面積 広
- 坪単価 低
広い面積を安く買えている場合、売却益が期待できるが立地による
異次元の金融緩和以降
- 価格 高
- 面積 中
- 坪単価 高
開発によって住環境が変化した立地の場合には需要が集中も
新築分譲マンション「価格」「面積」「坪単価」の平均値の推移から、マンションの価値は時期によって変動している事が分かります。
中古マンションを売却するときにも、このような世界経済・日本経済の変化による価値変動の影響を大きく受けます。
横浜市の中古マンション価格の相場
横浜市の中古マンション相場は、東日本レインズのデータによると日銀の金融緩和発表(2013年1月)以降、新築分譲マンション価格の上昇に引き上げられる形で中古マンション価格は2020年までの7年間で30%以上も大きく上昇しました。
横浜市の中古マンション価格が上がった3つの理由
①金融緩和による低金利でマンション価格が値上り
住宅ローン金利の推移
不動産を購入する時に住宅ローンの金利が高ければ借りられる額は少なくなり、金利が低ければ借りられる額は多くなります。つまり、住宅ローン金利が低ければ低いほど不動産の購入層は増えることを意味し、低金利の時期には買う・売るの両方で価格が上がりやすいということです。
月々の支払いが12万円の場合(35年)
・金利2.0%:借り入れ総額 3,622万円
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この低金利によって新築分譲マンションの値上がりの影響で中古マンションの値段も上がるため、売却をする売主にとっても良い影響があると言えます。新築では手に入らない立地の希少価値の高い中古マンションも高騰しています。
②横浜市の住宅(マンション・戸建)需給バランスが価格へ影響
横浜といえば港町や商業地域の印象がありますが、横浜市の大部分は東京のベッドタウンとして発展しました。
ベッドタウンとして発展したエリアでは戸建の件数が圧倒的に多く人気がありますが、港町・商業地域として発展したエリアではマンションが多い特徴があります。
ベッドタウンエリア
・駅前の商業エリアを除き戸建が人気
(新築戸建が価格を牽引)
港町/商業地域エリア
・戸建が少なくマンションが人気
(新築マンションが価格を牽引)
戸建に住みたい場合は既に建っている建売住宅や中古物件を購入するか、土地(空き地・古屋付き土地)を購入して上物を建てるか選択肢が多いのに対して、横浜市はマンションの建築に規制エリアを設けているため、新築マンションの供給が少ないことで中古マンションが持つ立地などの希少性が高まり価格が高騰しています。
横浜市の将来を見据えたマンション開発規制
横浜は住宅地として人気が高いため、マンション建設に多くの規制を設けています。例えば西区みなとみらい周辺は横浜市が規制緩和しない限り新築マンションを建設できなくなっています。これは、横浜の居住地としての人気の高さゆえのことで、規制しないと街中にマンションが乱立してしまうことを警戒してのことです。また、大規模なマンションが一部のエリアに集中して建設されると、周辺エリアを含めて不動産相場が一様に下落する恐れがあるため需給バランスを注視しながらコントロールしていると言えます。
③住みたい街としての人気が中古マンション価格の下支え
横浜は住みたい街として人気があるため、他のエリアよりも中古マンションの需要が高く売れています。東京のマンション価格が高騰しているため希望物件が見つからない購入希望者の多くが都内から横浜を含むエリアまで購入希望エリアを広げているのも横浜の中古マンション価格が高騰している一つの要因です。
ただし、住みたい街としてランキング上位に横浜が入る理由には、都内へのアクセスの良さがあげられるため、ターミナル駅から遠い立地や駅まで苦労する坂道が多いエリアは敬遠される傾向があります。
横浜市の人口増加による競争状態
横浜市の人口は、1960年代から40年間で約2倍となり、2013年に370万人、2019年には過去最高の373万人に達しました。横浜市は東京都区部に次ぐ人口の多い市、日本第2の都市となっています。
横浜市のマンション相場の見通し
横浜市のマンション価格は金融緩和と建築費の高騰によって、大きく値上がりしました。
しかし、長期的にはマンション価格は下落すると予想されています。
横浜市の人口推移
横浜市が発表した「横浜市の将来人口推計」では、約378万人を記録した2021年を人口ピークとして45年後の2070年には約70万人減の300万人前後まで人口が減少すると予想されています。
横浜市の人口推計を世代別に分けてみると、少子高齢化が改善される見込みはたっていません。注目すべきは、マンションや戸建といった居住用不動産を積極的に購入する世代の減少が顕著である点です。80歳までに完済が必要である住宅ローンを利用する世代を25〜44歳として、2020年の90万人から2070年の65万人と30%以上も減少するのです。
長期的には人口の減少による空き家の増加、居住用不動産の購入層の減少、若年層の収入減少などの理由から、不動産価格は下落していくものと予測されます。
マンション供給戸数の推移とストック戸数
横浜市の新築分譲マンション供給戸数は2003年と2008年の約12万戸をピークに縮小傾向で、2018年に新築分譲されたマンションは約4万戸となっており、新築分譲マンションの建設が大幅に減っている事が分かります。
同時に、横浜で新築分譲されたマンションの戸数を積み上げていくと、1989年の12万戸から2018年には64万戸を超え、マンションストック数は5倍以上に増加しています。
神奈川県で27万戸超のマンションが築40年を超えます。(2022年時点)
マンションは築40年を超えると、所有者の高齢化や建物の老朽化で修繕費の負担増などの問題が現れ、売りに出される中古マンションの増加が予想されます。年齢別人口によると、神奈川県に限らずマンションを購入する世代は減り、マンションを売却する世代は増え続けます。長期的には中古マンションを売る人が増え、買う人は減るため、中古マンション価格は下がると予想されます。
また、築年数が古いマンションでは住宅ローンが使えない金融機関も増えているため、買える人が「現金を持っている人」に限られてしまうこともマンション価格が下落する要因でしょう。
住宅ローン金利上昇のリスク
異次元緩和が2024年に終了し、段階的に住宅ローン金利も上がる見通しです。
住宅ローン金利が上がると年収に対して借入できる額が減るため、高騰していた価格帯で買うことができる購入層の減少や、購入意欲の減退や買い控えが起こり、今まで高騰していたマンション価格は下落することも。
過去には2006年に日銀が量的緩和を解除し金利を上げている最中、2008年にリーマンショックが起こり不動産価格が下落しました。変動金利の5年ごとの見直しで支払総額が増えることで、支払いが滞ってしまい任意売却・競売となって売りに出されるマンションが少なからず中古市場に増えるでしょう。
横浜市の不動産は今が売り時
ここまで横浜市の土地の価格や新築マンション価格の推移データなどをもとに横浜の不動産の売り時について検証してきました。
横浜市の不動産価格は、2024年に終了した住宅ローン低金利や、2021年にピークアウトを迎えた横浜市の人口増加に支えられて高騰していましたが、今後の横浜市の不動産相場は下記の懸念が挙げられます。
- 住宅ローン金利の追加利上げ
- 少子高齢化と人口減少に伴う住宅需要の縮小
横浜市の不動産は、立地によっては既に売り時のピークを迎えています。住宅ローンの低金利が続く限り不動産価格は更に上昇する可能性もありますが、それは局地的に希少性が高い不動産に限定され、価格の下落は近い将来に高い確率で起こりえます。
そもそも不動産の価値は土地の価格によるところが大きく、地価が大幅に上昇しない限りマンションや戸建は経年によって建物の資産価値は減少するため購入時の価格より売却価格は下がることが一般的です。それでも購入時から価格を維持していたり、購入時を超える売却価格、少しの値下がりで売却できるということ自体が「不動産バブル」であり、それだけでも横浜の不動産は売り時といえます。
ここまで「横浜市の不動産 売り時はいつ?横浜市の不動産相場推移」について解説しました。
横浜市の不動産を売るタイミング、相場については立地によって見方が変わるため、売却を検討されている方への分析結果として参考としていただければ幸いです。
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