不動産買取の相場と査定額
「不動産買取を利用したいけれど、相場が分からない」「査定を依頼したら、提示された金額が適正なのか判断できない」と悩んでいませんか?
不動産買取では、不動産会社が物件を直接買い取るため、一般的な仲介による売却とは価格の決まり方が異なります。
また、同じエリア・同じ面積の不動産でも、築年数や建物の状態、立地、接道状況、土地の形状などによって査定額は大きく変わります。
そのため、不動産買取の相場を知るには、単純に「周辺の売出価格」を見るだけでは不十分です。
この記事では、不動産買取の相場、査定額の決まり方、仲介との価格の違い、査定時に確認されるポイント、買取価格を少しでも高くする方法まで、不動産売却の専門家が分かりやすく解説します。

不動産買取の相場は「市場価格」と同じではない
まず理解しておきたいのが、不動産買取の相場と仲介で売却する場合の相場は、必ずしも同じではないということです。
仲介の場合は、不動産会社が購入希望者を探し、買主との売買契約を成立させます。
一方、不動産買取では、不動産会社自身が買主となります。
不動産会社は購入した物件を、そのまま販売したり、リフォーム・リノベーションなどを行って再販売したりします。
そのため、買取価格を決める際には、将来の販売価格だけでなく、リフォーム費用、販売活動にかかる費用、所有期間中のコスト、利益なども考慮されます。
つまり、買取価格=その不動産を再販売できると想定される価格-必要な費用・利益などという考え方が基本になるため、仲介による売却価格よりも買取価格が低くなるケースがあります。
ただし、買取には「早く売れる」「買主を探す必要がない」「内覧対応の負担が少ない」「契約後のトラブルを抑えやすい」など、価格以外のメリットがあります。
不動産買取の相場を調べる方法
不動産買取の相場を知りたい場合、まずは周辺の実際の取引価格を確認することが重要です。
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、不動産の取引価格や地価公示などを確認できます。
国土交通省の不動産情報ライブラリでは、実際の取引価格情報について、土地の面積や形状などの情報とともに検索できます。
>>国土交通省「不動産情報ライブラリ」
ただし、周辺の取引価格をそのまま自分の不動産の買取相場として考えることはできません。
国土交通省も、不動産の取引価格は面積、形状、前面道路などの個別要因によって変わり、同じ不動産でも取引事情によって価格が異なる場合があると説明しています。
そのため、相場を調べるときは、以下の情報をできるだけ自分の物件に近づけることが重要です。
- 所在地
- 土地面積
- 建物面積
- 築年数
- 最寄り駅からの距離
- 前面道路
- 土地の形状
- 建物の状態
- マンションの場合は専有面積・階数・築年数
- 周辺の成約価格
不動産買取の査定額はどうやって決まる?
不動産会社が買取査定を行う際には、さまざまな項目を確認します。
1.立地
不動産査定では、立地が非常に重要です。
最寄り駅からの距離、駅までの交通手段、周辺の商業施設、学校、病院などの生活環境によって価格は変わります。
同じ土地面積・建物面積であっても、立地条件によって査定額が大きく変わることがあります。
2.土地の形状
土地が整形地なのか、旗竿地なのか、三角形などの不整形地なのかによっても査定額は変わります。
一般的に、建物を建てやすく利用しやすい土地ほど評価されやすくなります。
3.前面道路
前面道路の幅員や接道状況も重要な査定ポイントです。
道路との接し方によっては、建築や再建築に制限が生じる場合があります。
そのため、単純な土地面積だけで買取価格を判断することはできません。
4.築年数と建物の状態
戸建てやマンションの場合、築年数や建物の状態も査定に影響します。
雨漏り、シロアリ、設備の故障、外壁や屋根の劣化などがある場合、修繕費用を考慮して査定されることがあります。
ただし、建物に問題があるからといって、必ずしも買取できないわけではありません。
不動産買取では、建物の状態を踏まえたうえで不動産会社が再販売方法を検討できるため、一般的な仲介では売却しにくい物件でも買取対象になる場合があります。
5.周辺の成約事例
査定では、周辺で実際に売買された不動産の価格も参考になります。
ここで重要なのは「売出価格」ではなく「実際の成約価格」です。売り出されている価格と、実際に売買された価格は同じとは限りません。
そのため、不動産の相場を調べる際は、可能な限り成約価格を確認することが重要です。
不動産買取と仲介ではどちらが高く売れる?
一般的には、時間をかけて購入希望者を探す仲介のほうが、買取より高い価格で売却できる可能性があります。
一方で、仲介には以下のような負担があります。
- 購入希望者を探す必要がある
- 売却まで時間がかかる場合がある
- 内覧対応が必要になる
- 売却活動が周囲に知られる可能性がある
- 条件によっては価格交渉が入る
- 売れるまで売却価格が確定しない
不動産買取なら、不動産会社から提示された買取価格に合意すれば、買主を探すことなく売却を進められます。
そのため、「できるだけ高く売りたい」なら仲介、「多少価格が低くても、早く・確実に売りたい」なら買取という考え方が基本になります。
なお、仲介を利用する場合の媒介契約や仲介手数料には一定のルールがあります。国土交通省も、媒介契約には複数の類型があり、仲介手数料には上限額が定められていると説明しています。
「買取価格が相場より安い=悪い査定」ではない
不動産買取の査定額を見て、「周辺の売出価格より安いから、この会社は安く買おうとしている」と判断するのは早計です。
不動産会社は、買い取った後に販売することを前提として査定します。
例えば、以下の費用やリスクを考慮する必要があります。
- リフォーム費用
- 解体費用
- 測量費用
- 不動産取得に関する費用
- 販売活動費
- 保有期間中のコスト
- 再販売時の価格変動リスク
- 事業者として必要な利益
そのため、仲介で売却した場合に想定される価格と、買取価格に差が生じることがあります。
重要なのは「周辺の売出価格と比べて安いか」だけではなく、なぜその査定額になったのかを不動産会社に確認することです。
不動産買取の査定は1社だけに依頼しない
買取査定を受ける場合は、できれば複数の不動産会社に査定を依頼することをおすすめします。
不動産買取では、同じ物件でも不動産会社によって査定価格が異なることがあります。
その理由は、不動産会社ごとに不動産買取の強みが違うからです。
- 得意な物件
- 再販売するエリア
- 販売ルート
- リフォーム・リノベーションのノウハウ
- 購入後の活用方法
- 在庫状況
- 会社としての仕入れ方針
例えば、戸建ての買取を得意とする会社と、土地の買取を得意とする会社では、同じ物件でも評価が異なる可能性があります。
したがって、1社の査定額だけを見て「この物件の買取相場は○○万円」と決めつけないことが大切です。
不動産買取の査定額を上げるためにできること
買取査定を依頼する前に、大規模なリフォームをする必要は基本的にありません。
むしろ、リフォーム費用をかけたからといって、その費用分だけ買取価格が上がるとは限らないため注意が必要です。
それよりも、不動産会社に物件の情報を正確に伝えることが重要です。
- 建物の築年数
- 過去のリフォーム履歴
- 修繕履歴
- 境界に関する資料
- 建築確認関係の資料
- 固定資産税の資料
- マンションの管理資料
- 土地・建物の権利関係
- 雨漏りなどの不具合
所有している資料があれば整理しておくなど、物件の状態を正確に伝えることで、より適切な査定につながります。
訳あり不動産でも買取できる可能性がある
不動産買取の大きな特徴の一つが、一般的な仲介では売却しにくい不動産でも相談できることです。
- 空き家
- 古家
- 築古戸建て
- 再建築不可物件
- 相続した不動産
- 長期間放置している不動産
- 賃貸中の投資物件
- 雨漏りがある物件
- 残置物がある物件
- 過去に事故・事件があった物件
- 広大な土地
- 不整形地
- 接道条件に問題がある土地
もちろん、すべての物件を買い取ってもらえるわけではありません。
しかし、買取会社は物件ごとに再利用・再販売の方法を検討するため、仲介で売れなかったからといって、買取もできないとは限りません。
不動産買取の査定で確認しておきたい5つのポイント
査定額だけで不動産会社を選ぶのではなく、次のポイントも確認しましょう。
1.査定額の根拠
「なぜこの金額なのか」を具体的に説明してもらいましょう。
2.最終的な手取り額
査定額だけではなく、売却時に必要となる費用を確認しましょう。
3.売却までの期間
「いつまでに売れるのか」「契約から引き渡しまでどのくらいかかるのか」を確認します。
4.契約条件
契約解除の条件、引き渡し条件、契約不適合責任などについて、契約前に確認することが重要です。
5.買取実績
自分の物件と似た不動産の買取実績がある会社を選ぶと、適正な査定につながる可能性があります。
不動産買取の相場を知るなら「相場+査定」の両方が重要
不動産買取の相場を調べるときは、インターネットで周辺物件の価格を見るだけで終わらせないことが大切です。
まず国土交通省の不動産情報ライブラリなどで周辺の取引価格を確認し、そのうえで複数の不動産会社に買取査定を依頼すると、自分の不動産がどの程度の価格で評価されるのかを把握しやすくなります。
国土交通省が公開している取引価格情報は、実際の取引事例を確認するための有力な参考資料です。令和7年3月31日時点で、国土交通省は約547万件の取引価格情報を提供しています。
ただし、相場はあくまで参考価格です。
実際の買取価格は、物件ごとの立地、土地・建物の状態、権利関係、再販売の可能性などを総合的に判断して決まります。
まとめ|不動産買取の相場は査定を受けて確認するのが確実
不動産買取の相場を知るためには、周辺の取引価格を調べるだけでなく、実際に不動産会社から査定を受けることが重要です。
特に覚えておきたいポイントは次のとおりです。
- 不動産買取の価格と仲介の売却価格は同じではない
- 相場を調べるなら実際の成約・取引価格を確認する
- 査定額は立地・土地・建物・道路・築年数などで変わる
- 同じ物件でも不動産会社によって査定額が異なる
- 1社だけではなく複数社に査定を依頼する
- 査定額だけでなく、価格の根拠や契約条件も確認する
- 売れにくい不動産でも買取なら売却できる可能性がある
「できるだけ高く売りたい」のか、「できるだけ早く売りたい」のかによって、適した売却方法は変わります。
まずは自分の不動産の相場を把握し、仲介と買取の両方を比較したうえで、納得できる売却方法を選びましょう。
不動産買取を検討している方は、まず査定を受けて、現在の買取価格を確認することから始めるのがおすすめです。
不動産買取は査定とあわせて相場を知ることができます。
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